はなちゃんのみそ汁は2016年に映画化もされた感動物語です。
その小説を読んでみたので、感想を書いてみます。
Contents
はなちゃんのみそ汁概略紹介
このお話は実話で、亡くなられたはなちゃんのお母さんが書かれていたブログ記事や残されたはなちゃんのお父さんのその時の感想、気持ちなど、心に響く内容です。
悪性の乳がんの発症。その時お二人は結婚するつもりでお付き合いされてたそうです。勇気を出しての手術、結婚、そして、不可能だろうと言われた妊娠・・はなちゃんが授かったのです。
一時はがんの影は完全になくなったお母さん。でも、生後六カ月になったはなちゃんが不意に母乳を飲まなくなったことで検査を受け、がんの再発が見つかるのです。しかも肺にまで転移。
娘の為にも死にたくない。その思いでお二人は様々な治療法を試みます。そして、代替療法にどっぷりはまりこんでいくのもこのころだったみたいです。現代医学での治療でなくその代替療法。玄米食他自然食やTVを撤去して、早寝早起きの習慣。
そうして何事もなくはなちゃんの成長とともに穏やかに過ぎて行く日々の陰で、病魔は確実におかあさんの体をむしばんでいたんですね。検査だけでもと病院の方から連絡があるのに、完全に代替療法に心傾というか心酔してしまっていたおかあさんはそれを拒否。
そんな時、母親ががんだからという理由で優先的に入園・通園を認められていた保育園から、証明書が必要だと言われてしぶしぶ検査。そのときに、肝臓などあちこちにがんが転移していることがわかり、再び病院で治療を受けることになってしまう。
同時に、はなちゃんに何が残せるかを考えはじめ、生きること=食べること。4歳になったはなちゃんにかつを節を削ってつくるお味噌汁を一緒に作って覚えさせようとしたんですね。
そうして毎朝おみそ汁をつくることは幼いはなちゃんの役目になったわけです。そんなはなちゃんのビデオはたくさん残ってるようですね。YouTubeで見つけた動画でも「はなちゃんの成長を目に焼き付けるように撮られたみたいです」と説明がありました。
そんな日々を送っていたはなちゃん一家。必死で治ろうと努力していたお母さん。でも、結局は亡くなられてしまったんですね。
ネットで賛否両論
涙を呼ぶ感動物語ですが、でも、ネットでも言われてるように、自然療法に心傾しすぎて、経過観察中なのに、定期検査も行かなかった点は、やはり考えが甘かった、いえ、なんでも代替療法でいけるとまで信じ込んでしまった点が、とっても残念だと思います。
定期検査をきちんと受けて、再発したときに早期に治療を開始していればもっと長生きできたのではないかな?とか…済んでしまったことを言っても始まらないし、他人でしかない私がここで思っていても仕方ないのですが、でも、母親として残される子供や家族のことを思うと、やはりそれはとても危険な思想だったと思ってしまうんですよね。
自然療法を継続しつつ、定期健診は必須だと思います。本当に、「行きたがらなかった」とみているだけでなく、なぜ叩いてでも・・は、できないのなら、泣いてすがってくらいの思いで説得して、せめて定期健診はきちんと受けさせていたら、と思ってしまうのは、自分がそうだったら、パートナーがそうだったらと思うからです。
映画は、「あなたは子供に何を残せますか?」「おかあさんははなちゃんに玄米とおみそ汁作りを通して生きる力を残して亡くなった」ことを主軸に作られてて、そういった点には触れてないんですよね。で、これを見て代替療法に心倒してしまう人がいたら危険だ、懸念もあるという意見をちらほら見ました。
自然療法は体にもいいしとてもいいことだとは思いますが、私も、カルト的に心傾するのは危険だと思います。代替療法をしつつ、定期健診は受けるなど現代医療も受けていたらもっと長生きでき、はなちゃんの成長を見ていられたんじゃないかという思いは、他人であり今更なことはわかってますが、打ち消すことができません。
単純なお涙ちょうだいの感動物語でなく、いろいろ深く考えさせられる物語だと思いました。
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